【元芸人・作家の松野大介】テレビのインチキ報道で起こったコロナ人災を忘れるな(後編)
「コロナ回想録」(後編)
◼️ 「コロナ&インフルW流行!」という抱き合わせ商法への期待
国内の無作為の検査で、陽性率が0.6%と結果が出た時、以前に「知らないうちに感染してる。人を見たらコロナと思え」と煽った『モーニングショー』の玉川徹は、「まだ99.4%の人は感染してないんですよ。まだ流行してない! これからだ」と言った。なぜ感染力の程度について語らないのか疑問だった。
同番組の専門家は、感染数が減ったグラフに対し、「ウイルスは高温多湿に弱いのでこれから感染者は減ります」と認めた上で、「コロナは秋からまた流行するかもしれない」と言い始めた。数日後には「秋にはインフルも出ます」とインフルに触れ、その数日後は「秋からコロナとインフルのダブル流行に備える」と言い始めた。
私の予想では、秋に新型コロナが季節性ウイルスとして流行した場合、 感染力と致死率が低いと出ている可能性もあるので、インフルと合わせて視聴率がとれるコンテンツとして報じたいのではないか。そういうスルーの仕方が、テレビはとても上手だ。
「コロナ&インフルW流行!」という抱き合わせ商法がテレビに流行しないよう、 私の予想が外れてほしい。
私が問題視しているのは、納豆をもてはやせばスーパーから納豆が消えるような影響力を未だ持つテレビが、緊急時にも関わらずその力を視聴率アップに利用したこと。ある種の番組が、公表すれば煽って視聴率の稼げるデータと、公表したら稼げないデータをセレクトして報じた姿勢だ。
もちろん危険を煽る報道で、人々は警戒心を引き締め、結果的には自粛の統一に貢献したかもしれない。だが、一方で前述したようにテレビは具体的にインチキ報道もやった。
いろんな業種がコロナ騒動を利用し始め、世界は変わりつつある。人間がウイルス化することが一番恐い。
【松野大介「コロナ回想録」おわり】
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